よくある疑問(全20問)
なぜ角膜が変形するの?
角膜を支えるコラーゲン繊維が弱くなることで起こると言われています。遺伝的な素因に加え、目をこする習慣(アレルギーなど)や紫外線、酸化ストレスなど複数の要因が重なって発症・進行すると考えられています。
失明することはある?
適切な治療を続ければ、完全な失明(光覚なし)に至ることは非常に稀です。多くの患者さんはコンタクトレンズや手術によって日常生活に必要な視力を維持できます。ただし放置して重症化すると視力が著しく低下することがあるため、早期の受診と定期的な通院が大切です。
遺伝する病気?
遺伝的な要因が関与しており、一親等(親・きょうだい)に円錐角膜の方がいると発症リスクが高まります。ただし遺伝形式は複雑(多因子遺伝)で、家族歴がなくても発症することは多くあります。家族に患者さんがいる場合は早めに角膜検査を受けることをお勧めします。
目をこするのはなぜよくない?
目をこすると角膜に繰り返し機械的なストレスがかかり、コラーゲン繊維が傷んで進行が早まる可能性があります。アレルギーや花粉症でかゆい場合は、こすらず冷やしたタオルを当てるか、抗アレルギー点眼薬でかゆみをコントロールしましょう。
何歳ごろに発症することが多い?
多くは思春期(10代)〜20代前半に発症し、30〜40代にかけて進行が落ち着くことが多いです。ただし個人差があり、まれに30代以降に発症するケースや、小児期に発症して急速に進行するケースもあります。
子どもでも発症する?
15歳未満での発症は比較的稀ですが、報告はあります。若年発症の場合は進行が速い傾向があり、早期のクロスリンキング治療が特に重要です。アレルギーが強い子どもや家族歴のある子どもは早めに眼科で角膜の形状検査を受けることをお勧めします。
片眼だけに発症することはある?
発症時は片眼から始まることもありますが、多くの場合は最終的に両眼に起こります。ただし左右の進み具合には差があることが多く、片眼が重症でもう片眼は軽症というケースは珍しくありません。
進行はずっと続くの?
多くの場合、30〜40代になると自然に進行が緩やかになります。ただし個人差が大きく、急速に進む方もいれば若いうちに落ち着く方もいます。進行中はクロスリンキング(CXL)で進行を止める治療が有効です。
普通のメガネやコンタクトでは矯正できないの?
初期段階ではメガネやソフトコンタクトレンズで対応できますが、進行すると「不正乱視」が強まりこれらでは十分に矯正できなくなります。その場合はハードコンタクトレンズ(RGP)やスクレラルレンズなど特殊なレンズが必要になります。
角膜クロスリンキングは痛い?
手術中は点眼麻酔を使用するため痛みはほとんどありません。ただし術後数日間は眼痛・羞明(まぶしさ)・流涙などの不快感が出ることがあります。上皮を剥がす従来法より上皮を残す「経上皮法(TECXL)」のほうが術後の不快感が少ない傾向があります。
クロスリンキングは保険適用になった?
日本では2026年5月現在、角膜クロスリンキングは保険適用外(自費診療)です。片眼15〜30万円程度の費用がかかり患者さんの経済的負担が大きい状況です。円錐角膜研究会が保険適用を目指して活動を続けており、一般社団法人円錐角膜支援の会では未成年患者へのCXL費用支援も行っています。詳細は受診先の眼科にご確認ください。
LASIK(レーシック)で治せない?
円錐角膜にLASIKは禁忌(絶対にやってはいけない治療)です。角膜を削るLASIKは元々脆弱な角膜をさらに薄くし、急速な悪化(医原性角膜拡張)を引き起こす危険があります。円錐角膜の方は屈折矯正手術を希望する際に必ずこの点を眼科医に確認してください。
角膜移植は絶対に必要になる?
すべての患者さんに角膜移植が必要になるわけではありません。現在はクロスリンキングで進行を止めたり、コンタクトレンズやCAIRS・角膜リングで視力を維持したりできるケースが増えています。移植が必要になるのは重症化してほかの治療で視力が維持できなくなった場合です。
手術後もコンタクトレンズは必要?
角膜クロスリンキング後はほとんどの場合引き続きコンタクトレンズによる視力矯正が必要です。角膜移植(DALK)後も乱視が残ることがあり、術後しばらくはコンタクトや眼鏡での補正が必要なケースが多いです。
妊娠・出産と円錐角膜の関係は?
妊娠中のホルモン変化が角膜の弾性に影響し、一時的に角膜形状が変化・進行するケースが報告されています。妊娠中はCXL治療が行えないこともあるため、計画的な治療スケジュールについて事前に主治医に相談しておくことが大切です。
日常生活でできる予防・対策は?
①目をこすらない(アレルギーを適切にコントロール)、②UVカット眼鏡の着用、③うつ伏せ寝を避ける(仰向け推奨)、④3〜6か月ごとの定期検査——が主な対策です。完全な発症予防は難しいですが、進行を遅らせることには効果が期待できます。
スポーツはしてもいい?
多くのスポーツは問題なく行えます。ただしボールや体が目に当たる可能性がある競技(球技・格闘技など)では保護眼鏡(スポーツゴーグル)の着用をお勧めします。水泳時はコンタクトの脱落・感染リスクがあるため、度付きゴーグルの使用が推奨されます。
運転免許は取れる・維持できる?
コンタクトレンズ装用時の矯正視力が免許基準(普通免許は両眼0.7以上など)を満たせば取得・更新が可能です。ただし夜間のハロー・グレアで視界が悪化する場合があるため、夜間運転には特に注意が必要です。重症例では安全のために運転を控えることも検討してください。
どんな眼科を受診すればいい?
「角膜専門外来」を持つ眼科、または大学病院の眼科が専門的な検査・治療を行っています。角膜形状解析(トポグラフィー)の機器がある施設を選ぶことが重要です。円錐角膜研究会(keratoconus.jp)のサイトで専門施設を探すことができます。
定期検査はどのくらいの頻度で受ければいい?
進行中の方や若い方(10〜20代)は3か月ごと、安定している方は6か月ごとを目安に角膜形状解析を受けることが推奨されています。「見え方が変わった」「メガネの度数が合わなくなった」と感じたら、次の予約を待たずに受診しましょう。